第一話 倫理的にあり得ない(35)金より大事なものを知ってるの
香奈江の怒声に怯えたのか、パーティションの後ろから、マロのか細い鳴き声が聞こえた。貴山は顔色を変えてソファから立ち上がると、香奈江のそばへ行き肩に手を置いた。
「さきほど私が言ったこと、聞こえませんでしたか。大きな音を立てないでください、と言ったんです」
香奈江の…
この記事は有料会員限定です。
日刊ゲンダイDIGITALに有料会員登録すると続きをお読みいただけます。
(残り1,253文字/全文1,393文字)
【ログインしていただくと記事中の広告が非表示になります】