「新!掃除の解剖図鑑」NPO法人日本ハウス クリーニング協会著
早いもので師走ももう後半。この時期になると嫌でも考えなければならないのが、住まいの大掃除だ。普段は目を背けてきた汚れにも向き合わねばならず、拭いたり磨いたりと大仕事になる。
憂鬱になっていたところに見つけたのが、ハウスクリーニングのプロが住まいの場所別に効率の良い掃除の仕方を教えてくれるという本書だ。
早速、一番大変そうなキッチンから実践してみた。コロナ禍以降自宅で料理をする機会が増えたが、その分ガスコンロには汚れがたまり、とくに五徳は焦げやら油やらのこびりつきでエライことになっている。力ずくで格闘するしかないと思っていたが、レジ袋に五徳を入れ、お湯1リットルに対し重曹大さじ1杯を溶かしてつけ置きすればいいという。
やってみたところ、岩のように固まっていた汚れが10分ほどでゆるんできた。お湯を捨て、金だわしで軽くこすったら、永久に取れそうもなかった汚れがスルスルと落ちるではないか!
コンロ周辺の壁にも油が固まってこびりついていたが、重曹水で濡らしたキッチンペーパーをパックのように張りつけて10分。はがして水拭きしたらスルリと汚れが落ちてしまった。1カ所、なかなか頑固なこびりつきがあったが、使わなくなったクレジットカードで汚れをこそげるといいというのでやってみたら、簡単に落ちた。こんな使い方があったとは……。
つけ置きは風呂掃除にも有効で、皮脂と水垢のついた風呂椅子や洗面器などは、浴槽の残り湯にクエン酸1カップを溶かしてドボン。3時間後にスポンジで軽くこすったら、新品のようにピッカピカになったぞ。
ラクに汚れが落ちると掃除が楽しくなる。年末までに家を磨き上げよう。 <浩>
(エクスナレッジ 1540円)