「究極の疲れない脳」内野勝行ほか著

公開日: 更新日:

 新しい企画書の作成に行き詰まり、1週間はウンウンうなっていたが、気晴らしに初めて行く喫茶店でパソコンを開いてみたところ、あっという間にアイデアが湧き出してきた。デスクで頭を抱えていた日々はなんだったのだ!

 実は“場所を変える”という行動は、「脳疲労」の抑制に有効なのだという。物事を考えようとしても進まず、思考にモヤがかかったようになる状態は「ブレインフォグ」と呼ばれ、脳疲労が原因のひとつ。そして身体疲労とは異なり、休むだけでは解消されにくいという。

 本書では、5人の医師たちが脳疲労を防いでパフォーマンスを上げる方法を伝授している。

 同じ場所で単調な仕事をするのは脳への負担が少なそうだが、実際には脳が飽きてストレスとなり、脳疲労につながってパフォーマンスが落ちるそうだ。しかし、同じ作業でも場所を変えるだけでこれが刺激となり、脳疲労が抑制されて集中力アップにつながる。図らずも喫茶店に行ったことが、こんな効果をもたらすとは。

 脳をひとつの方向に使い過ぎないことも有効だという。

 例えば、ネットでニュースを見る場合、自分が見たいニュースだけを選ぶことができる。ストレスフリーで脳に良さそうだが、実は新聞で興味のあるなしにかかわらず政治もスポーツも芸能もあらゆる情報を斜め読みする方が、脳を疲労させないという。

 これを習慣にしてみたところ、確かに仕事中も集中力が途切れにくくなった気がする。

 脳疲労を解消する食事も紹介されているので、ビタミンB群や鉄などを積極的に取るようにしている。思考することが苦でなくなってきたので、疲れない脳に近づいているのかもしれないぞ。 <浩>

(アチーブメント出版 1496円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が戦々恐々…有能スコアラーがひっそり中日に移籍していた!頭脳&膨大なデータが丸ごと流出

  2. 2

    【箱根駅伝】なぜ青学大は連覇を果たし、本命の国学院は負けたのか…水面下で起きていた大誤算

  3. 3

    フジテレビの内部告発者? Xに突如現れ姿を消した「バットマンビギンズ」の生々しい投稿の中身

  4. 4

    フジテレビで常態化していた女子アナ“上納”接待…プロデューサーによるホステス扱いは日常茶飯事

  5. 5

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  1. 6

    中居正広「女性トラブル」フジは編成幹部の“上納”即否定の初動ミス…新告発、株主激怒の絶体絶命

  2. 7

    佐々木朗希にメジャーを確約しない最終候補3球団の「魂胆」…フルに起用する必要はどこにもない

  3. 8

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 9

    フジテレビ「社内特別調査チーム」設置を緊急会見で説明か…“座長”は港社長という衝撃情報も

  5. 10

    中居正広「女性トラブル」に爆笑問題・太田光が“火に油”…フジは幹部のアテンド否定も被害女性は怒り心頭