第二話 立場的にあり得ない(35)知ってたって──いつから
由奈は勢いよく顔をあげて、怜矢を見て叫んだ。
「私が、陸を殺したの! 人殺しの私は、生きている資格なんてない!」
隣で涼子が小さい声で言う。
「それで、自分で自分を追い詰めていたのね」
部屋のなかが静かになる。沈黙を破ったのは、怜矢だった。
「…
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