第二話 立場的にあり得ない(36)怜矢が陸に言い放ったひと言が
遠くを見ていた怜矢が、由奈に目を向けた。その眼差しに、由奈は息を飲んだ。怜矢の目は潤みを帯びている。
由奈はたまらず、下を向いた。さきほど怜矢が由奈に向けて言った、それなら俺も生きている資格はない、という言葉の意味がいまならわかる。あの日──陸が自殺する前日に、怜矢が陸…
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