第二話 立場的にあり得ない(37)怜矢は陸の気持ちを知っていた
由奈は、ふたり、とは言ったが、明らかに陸に向けて言った言葉だった。陸はなにがあっても自分を好きにはならない。そう思うと、陸を苦しめ、辛い目に遭わせたい、という黒い感情を抱いた。
由奈が陸を見ると、陸はハイボールを飲むふりをして目を逸らせた。動揺を隠そうとしていたが、グラ…
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