「徳川十六将」菊地浩之著
家康家臣団の中でも特に有力とされる「徳川十六将」は、掛け軸などに描かれ広まった。
しかし、16人の中には、徳川四天王と呼ばれた酒井忠次など納得の人物もいれば、「槍の半蔵」渡辺守綱や「鬼の半蔵」服部半蔵のように名前先行で実力が伴わない人物や、米津藤蔵入道浄心のように「十六将」以外で名前を見たことがない人物、松平甚太郎康忠など実在しない人物まで描かれている。
世に数多く出回る「徳川十六将図」を検証。なぜ16人に絞ったのか、そしてどのような基準で選び、配置構成したのかなど、その謎を読み解きながら、実は「十六将図」が渡辺守綱の目線で人選されていることを明らかにする。
一方で、十六将それぞれの人物列伝も詳述され、大河ドラマ鑑賞のサブテキストに最適。 (KADOKAWA 1034円)