(6)水子の国の収容施設にいた
綾瀬は女が口にした年の数にまた眩暈がしたが、無視することにした。
「さっきはあんな馬力で走ってたくせに」
「がんばりすぎちゃった。今日は燃料切れ」
暗い海淵に一瞬満開の花弁が広がる。だがそれもほんの瞬きをする間で再び空間はもとの闇に戻る。
「私が収容さ…
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