(57)彼女はぼくの根源だから
クルシマはベッドと洋服箪笥の間に隠すようにして置いてある小さな三脚椅子を運んで来た。
彼はいかにもこの部屋の勝手を知っている風だった。先ほど女の職員が老女にクルシマの名前を伝えたときの様子といい、彼はこの部屋を何度か訪れたことがあるのだろう。
クルシマは三脚椅子…
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