著者のコラム一覧
山上たつひこ

1947年、徳島県生まれ。70年「光る風」で注目され、72年「喜劇新思想大系」でリアルな画風のギャグを確立。74年連載開始の「がきデカ」が社会的ブームに。88年から小説執筆を開始。2014年、原作を担当した「羊の木」(いがらしみきお画)が文化庁メディア芸術祭優秀賞を受賞。著書に「蝉花」「火床より出でて」「大阪弁の犬」「王子失踪す」ほか。

(59)若き生態学者の母が微笑む

公開日: 更新日:
イラスト とり・みき

 ノックの音がした。ドアが開く。初老の男が入って来た。彼は衣類をつめた籠を抱えていた。

「洗濯物のお届けです」

 男は温厚な表情で二人に会釈した。彼は部屋に備え付けの収納スペースに洗濯した下着類を移し替えた。手馴れた手つきである。

「おじゃましました」

 …

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【連載】金鳳花のフール

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