(90)骨壺を抱えたクルシマが粉塵となって散る
タキグチは車から降りたところだった。
「やあ、これはこれは。朝早くから要人殿のお出ましだ」
綾瀬は足元をふらつかせて玄関口の階段を下りた。芝居ではなく実際にまだ体が揺れている。
「朝酒ですか」
タキグチの表情は厳しかった。
「朝酒というより昨夜…
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