「修羅の家」我孫子武丸著
「修羅の家」我孫子武丸著
深夜、26歳の晴男は公園でレイプ中に相手の女を殺害、その現場を中年女に目撃される。しかし、その中年女は警察に通報する気はないという。
半信半疑で優子というその女の家に行くと、子どもから初老まで老若男女10人が共同生活を送っていた。
家族になれば通報はしないと言われた晴男も、異様な儀式を経て、優子の家族となる。レイプした女の遺体の処理も優子の娘らしい愛香が手伝ってくれた。
翌日、晴男は指示されるまま部屋を引き払い、優子の家に移り住む。一方、区役所の職員・北島は、同級生で初恋の相手・愛香を見かけ思わず声をかける。愛香から「家族」のことを教えられた北島は、彼女を救い出したいが……。
支配と嫉妬、憎悪が渦巻く「家族」を舞台にした戦慄の長編ミステリー。
(講談社 869円)