「行って眺めて撮る!巨大工場 探訪ガイド」小林哲朗著
「行って眺めて撮る!巨大工場 探訪ガイド」小林哲朗著
夜間に高速道路や電車で移動中、目に飛び込んできた工場の夜景の美しさに見とれたことがある人も多いのでは。
そびえたつ巨大なプラントに縦横無尽に張り巡らされた大小のパイプ類をはじめ、ロケットを彷彿とさせる煙突から噴き出す水蒸気や、さまざまな形のタンク類など。
日中は、風景に溶け込んで気がつかなかった工場が、ライトアップによってメタリックに輝き、その機能美が強調され、異世界のような風景をつくり出す。
そんな工場絶景の撮影の魅力とそのテクニックを教えてくれるビジュアルガイド。
必需品のカメラは、現在持っているもので十分だが、新しく工場撮影用に買うならミラーレス一眼がお薦めだという。驚くほどの高解像度のレンズが多くあるからだそう。
ほかにも、必要なカメラアクセサリーや、工場撮影のためのカメラの基本設定、そして構図の決め方などの基本を解説。
その上で、坂が多いのでさまざまな角度から撮影ができる室蘭市の「日本製鉄北日本製鉄所」や、カラフルな煙突が近未来的な福島県の「常磐共同火力勿来発電所」、まるで巨大なテーマパークのような横浜市の「ENEOS根岸製油所」、工場内をはい回る巨大なパイプがSF映画に登場する未知の生き物のような福岡県の「UBE三菱セメント九州工場」まで。全国各地の114もの工場を、著者の作品とともに紹介。
それぞれの工場のデータや撮影の際の注意点、撮影テクニック、さらに各写真には撮影データも添えられており、初心者でもすぐに始められそうな情報が満載。
ページを開けば、あなたも工場夜景の魅力にハマるはず。そしていつしか、自分も撮影に出かけてみたくなるに違いない。
(玄光社 2750円)