第170回芥川賞・直木賞候補作発表 NEWS・加藤シゲアキ氏による小説「なれのはて」がノミネート
第170回芥川賞・直木賞の候補作が14日発表され、直木賞の候補に、アイドルグループ「NEWS」のメンバーで作家の加藤シゲアキ氏による小説「なれのはて」がノミネートされた。
同作は「戦争」と「報道」をテーマにし、執筆3年、約38万字を費やした力作。主人公は元テレビ局報道記者で、異動した部署の後輩が持っていた一枚の絵から、秋田を舞台にした「戦争の現実」を追い求めていくという、社会問題をテーマにした作品だ。
文芸誌「小説現代」の10月号では同作の特集企画が組まれた。10月24日に行われた新刊記念会見では、「今、NEWSのツアー中なんですけど、実はライブでうちわではなく『小説現代』を振っている人が何人かいる」と語っており、ファンたちにとっては久しぶりの明るいニュースとなったに違いないだろう。
同氏の作品が直木賞候補作になるのは、第164回直木賞候補作ノミネート時の「オルタネート」以来、2作目。
ほかにも、直木賞では今回で4回目の候補となった宮内悠介氏の「ラウリ・クースクを探して」や、6回目となる万城目学氏の「八月の御所グラウンド」など、常連組を中心にノミネートされた。芥川賞は5候補者のうち1人だけが初ノミネートとなり、両賞とも実力者が揃ったかたちとなった。
来年1月17日の選考会を経て、同日夕方、各賞が発表される。