小説「君たちはどう生きるか」 名著「ソクラテスの弁明 クリトン」超え1位に

公開日: 更新日:

 岩波書店が岩波文庫累計販売数ランキングを20日に発表し、吉野源三郎著「君たちはどう生きるか」が、累計180万部を超えて歴代1位となった。7月14日に公開された、同タイトルのスタジオジブリ最新作の影響が大きい。

「映画の直接の原作ではないですし、主人公が小説を読むシーンが登場するという程度なので、ここまでの反響は予想外でした。これからも多くの方に愛される作品になるんじゃないかと思います」(岩波書店担当者)

 映画公開から4日後の18日には、各店舗で品薄、Amazonでは品切れ状態になり、増刷・重版が決定したという。

 それまで同ランキングの1位だったのは、累計170万部のプラトン著「ソクラテスの弁明 クリトン」。同書は1927年の岩波文庫創刊時の刊行作品のひとつで、古典の名著として長らく愛され続けてきた。同社が発表している累計販売数ランキングで最も古い1987年時点(「岩波文庫総目録1927-1987」参照)において、すでに1位であった「ソクラテスの──」の座を奪ったことは歴史的な快挙であると言えよう。

 映画が多くの人を良書へと導く。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    西武ならレギュラー?FA権行使の阪神・原口文仁にオリ、楽天、ロッテからも意外な需要

  2. 2

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  3. 3

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  4. 4

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  5. 5

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  1. 6

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  2. 7

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 8

    首都圏の「住み続けたい駅」1位、2位の超意外! かつて人気の吉祥寺は46位、代官山は15位

  4. 9

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇