(12)逆子で生まれる、と頭を下げる
(四)
師走も半ばとなっても、聖天町に住むお紋の子は、いっこうに子返りしなかった。
諦めずに毎日通い、灸を据えてきたが、この先はもう気休めにもならない。理不尽な現実と、向き合わねばならぬ局面に入っていた。
「力及ばずで申し訳ない。アタシの灸では、子返りさ…
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