「つげ義春が語る旅と隠遁」つげ義春著
「つげ義春が語る旅と隠遁」つげ義春著
つげは実家にいたころ義父に虐待され、船員になろうと密航を企てるも失敗。メッキ工場の見習工やそば屋の出前持ちなどをしていたが、人に会わずにひとりで食っていける仕事を考えて漫画家になった。
当時は貸本漫画の時代で、漫画というものが分かってくるにつれて自分の未熟さに気がつき、描けなくなった。それが「ガロ」創刊の1964年まで続くが、66年の作品「沼」の、青年が1発銃を撃つラストシーンで吹っ切れた。仲間らには難解だと不評だったが、そのシーンを描いたことで「貸本漫画」から自由になれたのだ。(「プロフィールつげ義春」)
深沢七郎、川本三郎らとの対談で、つげ義春が生活、宗教観などを語る。 (筑摩書房 2530円)