「奄美でハブを40年研究してきました。」服部正策著
「奄美でハブを40年研究してきました。」服部正策著
ハブは環境適応能力が高く、砂浜や畑などだけでなく家の中にも入ってくるので就寝中にかまれる人も少なくない。世界の毒蛇の中ではハブは下から10番目以内だが、毒の量が多く個体数も多いので奄美の人びとを苦しめている。ハブ毒はタンパク質の混合液なのでかまれると内出血を起こし、筋肉の細胞が壊死して歩行障害や指の動作不良といった後遺症が残ることもある。
現在の血清は筋肉の壊死には十分な効果がない。血清を打っても痛みは続く。ハブにかまれたら毒量を減らすために、まず傷口を洗って毒液を吸い出すことが必要。119番するのはその後だ。
奄美病害動物研究施設勤務の研究者からのメッセージ。
(新潮社 1760円)