「贋品」浅沢英著
「贋品」浅沢英著
佐村隆は画商だった父の知人だと称する山井青藍という男から、贋作づくりの話をもちかけられた。佐村は実家の土地も家も処分したが、借金の抵当に入っていたため手元に残ったのは、山井に売った絵の代金、50万円だけだ。
10年あまり前にオランダの美術館からピカソの最晩年の作品が盗まれたが、証拠隠滅のために焼却されたのか、どこかに隠されているのか、今も謎のままだ。
盗まれた作品の市場価格は48億円。盗品はブラックマーケットで売買されるという。
絵の具が使える精巧な3Dプリンターを用いればピカソの贋作はつくれる。絵画修復の仕事をしている中国人女性も入れて、仲間は4人。1人当たり10億円の仕事だ。
ピカソの贋作をめぐるサスペンス小説。
(徳間書店 2200円)