(46)一途な若者が血ヘドまみれ
叔父の利兵衛は腕を組んだまま眼を閉じている。唇をへの字にしての長考、瞼が時折ピクピクと震える。
ようやっと喉に痰がからんだような声を出した。
「お上臈が妓楼から寮へ出養生させてもらえるのは、よっぽどのことだよ」
最高位の昼三だからこその厚遇、なまじの遊女な…
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