「鷹の飛翔」堂場瞬一著
「鷹の飛翔」堂場瞬一著
2012年夏、住吉神社境内で殺人事件が発生した。刺殺遺体の顔を見た目黒中央署署長、海老沢利光は、面倒な事件を抱え込んでしまったことを知る。
「こいつは、公安1課のお客さんだよ」。平成元年に飛翔弾を使ったゲリラ事件で死者が出たが、そのとき、犯人として逮捕された元革連協の活動家、木野隆史だった。この数カ月で革連協の元活動家3人が殺されている。
この一連の事件は単なる殺人事件として捜査1課が担当していたが、公安1課もひそかに動いていた。最初の犠牲者が出たときから公安では「八田将道」の名が挙がっていた。革連協の元活動家で飛翔弾事件で逮捕されたが、「傷害致死」が適用され、既に服役を終えて出所していた。
2人の刑事が最後の事件に挑む警察小説。
(講談社 2090円)