「官能小説『擬声語・擬態語』用例辞典」永田守弘編

公開日: 更新日:

「官能小説『擬声語・擬態語』用例辞典」永田守弘編

 文芸の文章作法では、オノマトペ(擬声語・擬態語)の多用はよくないとされる。しかし、官能小説では、オノマトペは大切な役割を果たし読者の淫心をかきたてる。

 本書は、官能小説約700冊から採録したオノマトペとその用例を収録した比類なき書。

「『れろっ…れろっ…ぴちゃ、ぴちゅ…』残精溜まる筒先に赤い小さな舌を這わせ、あるいは裏筋を舐め弾き、京介を清めることに夢中の理沙」(弓月誠「甘い生活 最高の義母と最高の義姉妹」)など舌にまつわるオノマトペをはじめ、「ドッドッ、ドバー」(安藤仁「花びらしぐれ」)など、激烈な表現が多い射精のオノマトペまで。男女別、体の部位別に紹介。

 AVとは異なる興奮に導く官能小説の世界をのぞき見る。 (河出書房新社 1100円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…