「そんなときは書店にどうぞ」瀬尾まいこ著
「そんなときは書店にどうぞ」瀬尾まいこ著
著者は2018年に「そして、バトンは渡された」を執筆し、営業担当者のカルカン先輩と一緒に刷り見本を持って書店を回ることになった。1日に10軒近くの書店を訪れ、疲れた著者に、先輩は「あそこのリラックマでも見て一息ついてください」と言ってくれた。そのときは周りの人間を緊張させない繊細な人だと思ったのだが……。
著者がパニック障害になりたての頃、4時間ごとに薬を飲まなくてはいけないので、4時間後に教えてくださいと頼んだのに、それどころか帰るまで教えてくれなかったのだ。カルカン先輩は繊細な人ではなかった。
出版界の慣習に困惑したり感動したりの日々をつづったエッセー。 (水鈴社 1760円)