五輪関係者ニヤリ 政治利用されるAKB国立ライブ「中止」
巨額建設費の一端を担うのが、初期費用だけで139億円に上る開閉式屋根の設置だ。その理由は音楽イベントの中止リスクを避けるためで、下村文科相も「開閉式屋根は必須条件。コンサートが年間10回程度でき、維持管理費が黒字になる」と鼻息が荒い。
■5年前は「嵐」が土砂降り決行
しかし、ショービジネスで稼ぐため、巨額の税金を投じるのは公共事業として本末転倒ではないか。先週には2月中旬に都心を襲ったレベルの大雪が降った場合、屋根が雪の重さに耐えられず崩落するとの試算が発覚。自民党議員の間でも「本当に屋根は必要なのか」と見直し機運が高まっていた矢先に、今回の中止劇である。
「ムダな屋根を設置したい側には、格好の口実となるでしょう。AKBのライブ中止なら話題性も高く、<屋根さえあればできた>とこの先、政治利用されかねません」(法大教授・五十嵐敬喜氏=公共事業)
09年8月には同じ国立で嵐の「10周年ライブ」が、土砂降りの中、決行されたことがある。今回のライブ中止の経緯について、国立競技場サイドもライブの運営本部も「取材は『AKB48劇場』に問い合わせて下さい」の一点張り。AKB48劇場は何度、電話してもつながらず、建物は「本日休館日」の立て看板で、入り口が封鎖されていた。
ファン7万人の涙が、ムダな税金に利用されなければいいが…。