全米OP中継で泣いたNHK 錦織に「紅白」出演依頼の皮算用
決勝後のインタビュー合戦しかり、テレビ業界の「錦織特需」は凄まじかった。全米オープンの国内独占放送権を持つWOWOW。加入者数は月末締めの翌月発表のため、具体的な新規加入者数は明らかになっていないが、電話やインターネットでの問い合わせは「前年同期比の20倍」(同社広報部)だという。1992年の開局当初から全米、全豪、全仏を放送し続け、08年からウィンブルドンも加わった。それ以来、グランドスラムを網羅してきた国内唯一のテレビ局。今回の加入者殺到は、「地道に放送を続けてきたご褒美」(スポーツプロデューサーの杉山茂氏)というのも納得である。
そんなWOWOWから9日に行われた決勝戦の録画放送権をギリギリで購入。生中継から遅れること7時間後、NHKは地上波放送にこぎつけた。「受信料を払ってるのに見られないぞ」というクレームが殺到する中、「皆さまのNHK」として何とか面目を保った格好だが、“本当の勝負”はこれからだという。
■時差の小さいオーストラリアから中継
「大晦日のNHK紅白歌合戦への錦織選手の生出演実現です。過去にもオファーしていますが、錦織は年明けに全豪オープンを控えているため、かなわずじまい。彼は全豪で好成績を残しており、年明けからの前哨戦と本番に向けて調整に集中するでしょうが、だからといって手をこまねいているわけにはいかない。今年はこれまでとワケが違います。滞在先のオーストラリアと中継で結ぶなど、出演方法はいくらでもある。同国と日本の時差はほとんどないぶん、負担も少なく済みますからね」(テレビ関係者)