いま一度見直したい「映画俳優」としての川崎敬三さん
女と見れば、誰にでも手を出しかねない男で、絶えず女のケツばかりを追っかけている。川崎さんは端正な風貌のなかに狂気めいたにおいを放つのが持ち味。その悪魔的な魅力が「氾濫」では全開していた。
多くの男は出世欲と女好きの性癖を抱え込んでいる。川崎さんは普通の男の“理想”をある面では演じることができた貴重な俳優であったと思う。いま一度、映画俳優・川崎敬三を見直すべきだろう。
(映画ジャーナリスト・大高宏雄)