「中国ミステリー探訪」井波律子著

公開日: 更新日:

「中国ミステリー探訪」井波律子著

 ミステリーは欧米で成立した文学ジャンルだが、中国でも3世紀中ごろにはじまる六朝時代に大量に作られた怪奇短編小説「志怪」にはじまり、明・清の「公案(事件)小説」に至るまで、さまざまなスタイルのミステリー風の作品が作られてきた。

 本書は、千数百年にわたって読み継がれてきた中国式ミステリーの歴史を一望したブックガイド。

 志怪小説の最高峰「捜神記」に収録された「東海の孝婦」は怪奇ミステリー。姑殺しで処刑される嫁を主人公にしたこの作品には、冤罪や事件の真相を見抜く名裁判官など、後世の中国式ミステリーの基本的な道具立てがすでに備わっている。

 以降、ルパン全集の翻訳にかかわったのを機に創作に転じた20世紀前半の孫了紅の「侠盗魯平奇案」シリーズまで。70作以上の作品を紹介。

(潮出版社 1320円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    八角理事長が明かした3大関のそれぞれの課題とは? 豊昇龍3敗目で今場所の綱とりほぼ絶望的

  2. 2

    フジテレビにジャニーズの呪縛…フジ・メディアHD金光修社長の元妻は旧ジャニーズ取締役というズブズブの関係

  3. 3

    元DeNAバウアーやらかし炎上した不謹慎投稿の中身…たびたびの“舌禍”で日米ともにソッポ?

  4. 4

    松本人志は「女性トラブル」で中居正広の相談に乗るも…電撃引退にショック隠しきれず復帰に悪影響

  5. 5

    ついに不動産バブル終焉か…「住宅ローン」金利上昇で中古マンションの価格下落が始まる

  1. 6

    フジテレビ顧問弁護士・菊間千乃氏に何が?「羽鳥慎一モーニングショー」急きょ出演取りやめの波紋

  2. 7

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  3. 8

    菊間千乃は元女子アナ勝ち組No.1! フジテレビ退社→弁護士→4社で社外取締役の波瀾万丈

  4. 9

    中居正広「引退」で再注目…フジテレビ発アイドルグループ元メンバーが告発した大物芸能人から《性被害》の投稿の真偽

  5. 10

    中居正広「華麗なる女性遍歴」とその裏にあるTV局との蜜月…ネットには「ジャニーさんの亡霊」の声も