元祖「女に嫌われる女」 裕木奈江の自立心と強さの原点
「男に媚びているような目と半開きの口」「か弱さを武器にした計算高い女」、さらに「人の彼氏を寝取りそうな女」など90年代前半にバッシングされた裕木奈江(46)は、元祖「女に嫌われる女」。
きっかけはドラマ「ポケベルが鳴らなくて」(93年・日本テレビ)で演じた友達の父親(緒形拳)と不倫する小悪魔的な役が、はかなげな“オヤジ殺し”のイメージとぴったりとマッチしたからだ。
しかも現場スタッフから「わがままで次回は使いたくない」などの苦情が続出、ドラマ放映後には事務所とドラマ制作会社とのトラブルなどで仕事が激減した。99年ヘアヌード写真集を発売するが、スタッフだったヘアメークアーティストと略奪婚。そのため女たちから「やっぱりね」とまたもやバッシングを受け、彼女は夫と共に渡米する。
鬼才デビッド・リンチ監督の「インランド・エンパイア」に出演とハリウッドデビューしたが、09年離婚。現在は一人ロスでオーディションを受け続ける“孤高の女”だ。
では当時のイメージを払拭したかといえば、実はまるで変わっていない。デビュー直後、まだバッシング報道が始まる前のインタビューなどで裕木は「若い頃にパーッと出るより、実力をつけていって、将来、2時間の舞台のできる女優になりたい」と、かなりハッキリした意見を持っていた。男にしなだれかかるどころか、自立心旺盛だった。原因は彼女の生い立ちにある。