「2番を目指せ」 木下ほうかの胸に残る島田紳助の助言
現在の自分のポジション、そして5年後、10年後、20年後はどんな役者になっていてその時のライバルは誰や? 紳助さんに言われ、こんなシミュレーションをしてノートに書き出したりもしましたねえ。演技論ではなく、マーケティングというか、セルフプロデュースの分析や手法、どうやったら役者として食えるか? といった戦略的な話題が多くて、「役者はうまい下手より、そいつにしかできひん芝居せなあかん」という言葉は、今もすごく役に立ってます。
■「引退してから一番うれしかった」
かといって、ご自分が司会をされてる番組に呼んでくれるとかは一切なかった。いくら友人、知人でもそこは厳しい。「実力で取りに来い」という姿勢は変わらなかったですね。そんな生活が7年ほど続き、少しずつ仕事が増えてきだした30代の半ばぐらいから別宅への足が遠のいてました。
久しぶりにお会いしたのは7年前。引退の前年です。まだ飛ぶ鳥を落とす勢いの時期で、以前は飲めなかったお酒をたしなむようになり、「いつか喫茶店のマスターしたいねん」と言うてたのが印象的でした。そして11年8月に引退。いろんな事情があったんでしょうからこちらから電話をすることもなかったのですが、年が明けて電話をいただいたんです。