邦画仕様に進化 上陸2年のMX4Dで映画はここまで変わった

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 オリジナルの生みの親である吉川監督は、「想像以上の出来栄え。当時は音響や音源ひとつとっても付け方が異なり“すき間”が好まれていたが、最近の行間なく詰め込んだ作品に見慣れるとそのすき間が物足りなく感じる。それをMX4Dのアトラクション性は効果的に補ってくれた。『ルパンVS複製人間』は米ソの冷戦や永遠の生命といったウエットな題材だが、体が強制的に動くことで自然と笑いにつながる。エンターテインメント性やコメディー性も高めてくれた」と話す。

■日本のプログラマーが手がけるように

 米企業が開発したMX4Dが日本に上陸したのは、15年4月。当時は韓国企業が開発した4DXに比べ、動きが雑という声もあった。その理由について、MX4Dの代理店関係者は「米国の本社でプログラムを作成していたため」と指摘する。海外のプログラマーが日本語のセリフや日本の文化が散りばめられた邦画の演出をするのは至難の業。絵面をみて動きをつけても、観客の心とシンクロしきれない部分があったという。

 それが、国内で作成するライセンスを16年春に取得し、日本のプログラマーが手がけるようになってから大きく改善されたという。現在、国内でMX4Dのプログラムを担当しているのは2人。そのひとりで今作も手がけたダイナモアミューズメントの野中友恵さんは、「監督がつくった世界観を邪魔しないこと。そして観客の立場に立って没入感を高めるようさまざまな動きを研究している」と話す。

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