なぜ慕われる? 内村光良は若手の刺激がネタ作りの原動力
「白い悪魔」――。よく相方の南原清隆(52)が内村を表した言葉だ。他人に興味がなく冷たい。それが内村のパブリックイメージだった。人付き合いも苦手。飲み会に行くこともほとんどなく、仮に参加しても隅でマンガ誌を読んでいたほどだ。それが変わったのは、30代に入ってからだという。
お酒の味を覚えたことが大きいと本人は言うが、ちょうどその時期、「内村プロデュース」(テレビ朝日)が始まっており、座長としての自覚と責任感がそうさせたのではないか。この番組では毎週のように打ち上げが開催されていた。
「まずは出演者の人柄を好きになることが最初。それは努力して好きになろうとしているわけじゃなくて、『こいつ絶対いい奴だろうな』っていうのがチラッと見え隠れするところに自然と惹かれるんです」(日経BP社「日経エンタテインメント」09年4月号)
かつて、他人に興味がなかった内村が、共演者、特に芸人たちを愛するようになった。内村が若手にとって「やりやすい」先輩なのは、常に同じ目線に立ってくれるからに違いない。
内村は若手から刺激を受け、貪欲にネタを作り続ける。そんな内村の姿勢を見習い、また若手たちは刺激を受けるという幸福なサイクルが生まれているのだ。