「風花凜子の恋」 りょうが演じる“強さと弱さのバランス”
弘兼憲史の漫画「課長島耕作」の連載が始まったのは35年前。課長だった島も今やテコット(旧初芝電器)の会長だ。
35周年企画「部長 風花凜子の恋」(読売テレビ制作、日本テレビ系)は、特別編と完結編の2週連続放送。いわゆるスピンオフ作品で、主人公は国際本部北米部部長の風花凜子(りょう)。有力な役員候補の1人だ。また凜子にはジャズ喫茶を経営する高澤(平山浩行)というパートナーがいる。そして彼女自身もプロのサックス奏者なのだ。そんなヒロインを、りょうは緩急のアクセントをつけながら1人の女性として魅力的に見せていく。特に強さと弱さのバランスがいい。
物語には2つの要素がある。1つ目は凜子がリーダーを務めるスマートビルの開発プロジェクト。つまり「仕事ドラマ」だ。先週の特別編では若手社員・吉田(竜星涼、好演)に対するパワハラや、社内の権力闘争にからむ情報流出問題などが発生。凜子は「同じ負けるなら最後まであがいたほうがいい」と粘り続けていた。
2番目は「恋愛ドラマ」の側面だ。ジャズという共通項も含め、良好だった凜子と高澤の関係が、高澤にがんが見つかったことでどう変化していくのか。加えて、部下の吉田が抱える凜子への思いも表面化するかもしれない。仕事とプライベートを五分五分で大切にする凜子だが、こちらも今週の完結編の行方に注目だ。