南北両極を初めて単独徒歩横断 冒険家・大場満郎さんは今
「建物は町の教育委員会から管理を委託されていますが、正直、運営費は潤沢ではありません。不足分は体験学習や僕の講演会活動などで賄っています」
ところで、テントの隅が破れているが……?
「寝ているところを白クマに襲撃されたんですよ。クマよけスプレーで撃退したものの、かなりヤバイ状況でした。アハハハ」
北極海単独徒歩横断に成功したのは97年。94年から毎年挑戦していたが、全部途中リタイアしただけに、3度目ならぬ“4度目の正直”だった。
2回目の北極海単独徒歩横断に挑戦した95年には、激しい凍傷により足指10本に右手の親指、中指、薬指と左手の中指を切断せざるを得なかった。テントの中で遺書を書いたこともある。毎回、命懸けだった。そして99年、念願の南極大陸単独徒歩横断を達成した。
「数々の冒険から学んだのは、ひと言でいえば、生きてるだけで素晴らしいんだってこと。そして、人知を超えた偉大なる自然への『畏れ、謙虚、感謝』です。いろんな人たちと僕の体験を共有して、地球の環境やライフスタイルについて考えてもらえたらいいな、と思っています」