若き日は俳優志望 いっこく堂さん語る“腹話術師への転機”

公開日: 更新日:

 それで原点に返り、もう一度俳優になろうと思い、最初に無名塾を受験。神保悟志さんらとともに最終面接まで残ったものの、残念ながら落ちてしまいました。次に「入団に際してお金がかからない」という単純な理由で、故・宇野重吉さん率いる劇団民藝を受けたところ、約30倍の倍率をくぐり抜け、晴れて入団できたのです。

 ところが、芝居は好きですから不満はなかったものの、若手の仕事である大道具・小道具が大の苦手。「このままじゃ……」と考え始めていた矢先でした。

 長野県松本市で公演があり、その晩は親睦と慰労会を兼ねて宿泊先の旅館で、米倉さん主催の余興大会をやったんです。他の劇団員がコントを演じる中、昔取ったきねづかのモノマネを披露したところ大受け。米倉さんから、賞金とともに先ほどの言葉もいただいたのです。

 これで、俄然ピン芸に目を向けるようになり、新聞記事をベースに、あえて沖縄言葉で話す漫談をつくって米倉さんのもとへ日参。批評していただいて、しゃべりの技術を磨きました。


 かといって、モノマネで食えるとは思わなかったですね。以前失敗してるので、同じ轍は踏めません。そんな時に、ふと脳裏に浮かんだのが中学2年の時に、テレビで見た婦人警官演じる交通腹話術でした。誰もが知ってはいるけれど、全然メジャーではない。ライバルが少なければ、一番になりやすい……。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    松本人志「事実無根」から一転、提訴取り下げの背景…黒塗りされた“大物タレント”を守るため?

  2. 2

    島田洋七が松本人志復帰説を一蹴…「視聴者は笑えない」「“天才”と周囲が持ち上げすぎ」と苦言

  3. 3

    人気作の続編「民王R」「トラベルナース」が明暗を分けたワケ…テレ朝の“続編戦略”は1勝1敗

  4. 4

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  5. 5

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  1. 6

    松本人志が文春訴訟取り下げで失った「大切なもの」…焦点は復帰時期や謝罪会見ではない

  2. 7

    窪田正孝の人気を食っちゃった? NHK「宙わたる教室」金髪の小林虎之介が《心に刺さる》ファン増殖中

  3. 8

    井上真央ようやくかなった松本潤への“結婚お断り”宣言 これまで否定できなかった苦しい胸中

  4. 9

    菊川怜が選んだのはトロフィーワイフより母親…離婚で玉の輿7年半にピリオド、芸能界に返り咲き

  5. 10

    福山雅治は自宅に帰らず…吹石一恵と「6月離婚説」の真偽

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    西武ならレギュラー?FA権行使の阪神・原口文仁にオリ、楽天、ロッテからも意外な需要

  2. 2

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  3. 3

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  4. 4

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  5. 5

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  1. 6

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  2. 7

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 8

    首都圏の「住み続けたい駅」1位、2位の超意外! かつて人気の吉祥寺は46位、代官山は15位

  4. 9

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇