東京シティ・バレエ団が提案 「ジゼル」を落語にしたワケ
何事もやってみなければわからないものだ。「おさよ」は再演され、しかも2回目はオーケストラの伴奏が入った。
国際的なバレエダンサーの兄と対談する機会が、演劇関係の雑誌で設けられた。その中で、花緑はこんな発言をしている。
「今、僕に必要なことは、いくつかの『落語の顔』を持つことだと思ってるんです。古典マニアの人も納得させることができて、コギャルを笑わせる新作もやれて、演劇の人も喜ぶようなものができて、というような。それにはやっぱり基礎がしっかりしていないとダメなわけです」
30歳を前にした花緑の目標であった。さらに、新たな挑戦として、バレエの名作、「白鳥の湖」を落語にした。
「『鶴の池』という題で、初演以来、お蔵入りしてましたが、ひさしぶりに練り直しをして来月の独演会で再演します」
今回の「花緑ごのみ」は、「練り直しの会」と銘打って、「鶴の池」と古典を2席演じる。バレエの名作がどんな落語になるのか。興味津々なので、私も見に行くつもりでいる。 (つづく)