嫌われても…「明石家サンタ」で学んだ八木亜希子の原点
初めてのテレビ出演は「笑っていいとも!」。テレフォンアナウンサーとしてステージの隅に登場するはずが、緊張しすぎて真ん中まで出て行ってしまった。
「明石家サンタ」が始まったのは、入社2年後の90年。八木は番組立ち上げから抜擢された。けれど、当時は数ある特番のひとつ。それが30年近くも続くライフワークになるなどとは想像もしていなかった。
フジ退社後、結婚してアメリカに住むようになったとき、さんまに「もうできなくなっちゃいますね」と話していたが、プロデューサーの三宅恵介には「別に辞めなくてもいいんじゃない? その都度、考えれば」と言われた。
改めて、さんまに相談すると、「正解はない」という返事だった(「マイナビニュース」18年12月19日)。さんまは相手の選択を強制したりはしない。八木の気持ち次第だというのが、答えなのだろう。
八木は「『サンタ』でアナウンサーとしての姿勢を学んだ」(文芸春秋「文春オンライン」17年6月3日)という。番組初期のある回で、さんまが「不合格」と判断して電話を切ったとき、八木は思わず「かわいそう」と口にした。それに対し、三宅から「どうしてそんなにいい子に見せたいの?」「別にいいじゃない、嫌われたって。相手に嫌われたって、見てる人にそれが正しければいいじゃない」と言われハッとした。
「目の前の人に好かれる、嫌われるじゃなくて、見てる人にフェアであることが大事なんだ」(同前)と。それはバラエティー番組だけでなく、報道や情報番組の司会を務める際も、八木の姿勢の原点になっているのだ。