多芸多才の佐野史郎さんは「死ぬ直前まで仕事がしたい」
もう60代半ば。75歳まで生きるとしたら、それほどたくさんの時間はありません。目の前の仕事に追われていますが、なるべく時間を見つけて書斎にこもり、原稿を書いています。本当はすべての仕事をほっぽって命がけで集中しないと実現しないのでしょうが。きっかけは偶然や出会い、目に見えない力に預けるしかないかな。
監督としては99年に撮った映画「カラオケ」があります。プロデューサーに「映画を撮りませんか」と声をかけていただきました。そう言われるまで“映画を撮りたい”と意識はしていなかったのに、ドラマのロケ先で絵になるところの写真をたくさん撮っていた。後で考えるとロケハンしてたんですね。まさに導かれるように映画を撮ることになって。「このチャンスを逃すと一生撮れない!」と思って挑戦しました。
■世阿弥の死生観や鴨長明が「方丈記」でつづった暮らしぶりを学び、伝えたい
俳優としてはやったことのない作品に出てみたい。その作品の役に立てれば、どんな役でもいいから。映画やドラマ、音楽もみんなで作るのが好きなんです。