「カプリコン・1」火星着陸計画で国家が人を抹殺する日
世の中には陰謀説を唱える人々がいて、アポロ11号では「月面着陸は地球で撮影した」との説が出た。ハリウッドは、ケネディ暗殺に始まる米国人の国家機関への疑念をあてこんで本作を手がけたわけだ。
飛行士は自分たちが死んでしまった以上、口封じで殺されると察知。スタジオから逃走し、砂漠で銃撃される。コールフィールドも取材中に命を狙われる。そのため、彼はブルーベイカーと妻の交信映像をチェックし、言葉の暗号に気づくのだ。
ピーカーという政治家が火星探査計画推進派として登場する。彼がケラウェイを動かしているのは間違いない。そこには、巨大利権もあるはずだ。だから、平然と国民をだまし、邪魔者を抹殺する。
政治家と国家機関は何でもできる。支援者を花見に集めて税金で接待できる。招待者名簿をシュレッダーにかけられる。バックアップデータは公文書ではないと言い張ることができる。まさに破廉恥のやり放題。良い子はマネしちゃいけません! (森田健司/日刊ゲンダイ)