大相撲は無観客では成り立たない…プロ野球との決定的違い
炎鵬がはじき飛ばされそうになった時の悲鳴のような声援、白鵬が圧倒的強さで勝った時の少しがっかりしたような客席のため息などがないこともあるが、大相撲の観客は単に取組を見物に来た人たちではない。天下太平を祈念する神事でもある相撲を奉納する側の、いわば主役だ。主役がいないのだから、祭りとして成り立っていない。がらんとした観客席の寒々しさは、それだったのだ。
物言いがつき、審判長の「ただ今の協議についてご説明します」というマイクの声にも、「説明? だれに?」と思わずツッコミを入れたことだろう。
春場所はあす22日が千秋楽だが、表彰の時の土俵わきの優勝力士インタビューはどうするのか。あれも会場の観客に向けた挨拶とお礼でもあるから、拍手もない中でやるのは奇妙だ。
安倍首相は「新型ウイルスをアンダーコントロールにする」というが、そんな楽観的な状況ではない。5月の夏場所も無観客になるのではないか。
(コラムニスト・海原かみな)
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