大相撲は無観客では成り立たない…プロ野球との決定的違い
新型コロナウイルス騒動で、スポーツ競技は、開催されても、軒並み無観客になっている。で、テレビを見ていて、それほど違和感がないのは野球だ。プロ野球でもかつてパ・リーグは、いつもスタンドはガラガラだったし、今でも大学野球は、早慶戦を除けば、学ラン応援団とチアリーダーと暇そうな学生だけという試合は少なくない。
テレビカメラが追うのはバッテリーとバッター、打球が飛べば野手や走者で、観客席が映るのは、バックネットとホームランかファウルボールの時ぐらいだから、観客がいなくてもほとんど気にならない。
サッカーは制裁処分でしばしば無観客ゲームはあるし、ゴルフは荒天でギャラリーを入れないことがあった。グリーン回りがすっきりして、かえってコースがきれいに見える。ラグビーや陸上、水泳も、観客がいなくてもテレビ観戦にとくに問題はなさそうだ。
客がいないと、「催し」そのものが成り立たないことがはっきり分かったのは、大相撲である。歓声がないから、テレビからも、力士のすり足、行司の衣擦れ、横綱が土俵入りで大きく吐き出す息などの音声が鮮明に聞こえて、それはそれで新しい興趣なのだが、やはり物足りない。