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二田一比古ジャーナリスト

福岡県出身。大学卒業後、「微笑」(祥伝社)の記者に。その後、「Emma」「週刊文春」(ともに文芸春秋)をはじめ、多くの週刊誌、スポーツ新聞で芸能分野を中心に幅広く取材、執筆を続ける。フリー転身後はコメンテーターとしても活躍。

ビック3とは一線 志村けんさんが貫いたコメディアン人生

公開日: 更新日:

 一時、漫才ブームに端を発したお笑いブームの陰に隠れた感もあったが、志村さんはブレることなく、笑いに対する取り組み方は不変だった。

「ビッグ3」と呼ばれるタモリビートたけし明石家さんまとは笑いの質も違い一線を画していた。3人は大人向けの笑いだが、志村さんは老若男女問わず「バカなことやって」と思っても飽きずに誰もが楽しめた。

 コントにこだわる志村さんの笑いは、森繁久弥・渥美清と喜劇役者がいた昭和の流れをくんでいる。今回、正月映画の主演に起用されたのも、山田洋次監督が志村さんの喜劇役者としての資質を見抜いていたからであろう。

「“寅さん”“釣りバカ”と続いた松竹伝統の喜劇映画を継承する喜劇役者として期待していたのが志村さん。ギャンブル好きのうだつの上がらないオヤジ役はぴったりだったはず」(映画関係者)

 私生活でも昭和スターを継承する豪快さだった。こよなく愛した麻布十番を中心に酒とたばこと美女の3点セットは欠かさず。多くの仲間を引き連れての大盤振る舞い。時には明け方まで飲むこともザラ。それでも仕事は完璧。

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