伝説の悪役レスラー キラー・カーンさんもコロナ禍に嘆き

公開日: 更新日:

 アルバトロス殺法、モンゴリアンチョップ、アンドレ・ザ・ジャイアント“足首へし折り”事件……。プロレスファンでなくても、一度はリングネームを聞いたことがあるだろう。本日登場のキラー・カーンさんだ。さて、今どうしているのか?

  ◇  ◇  ◇

「昨日が4人、一昨日はゼロ、その前が1人……。今日は久しぶりにお客さんが2桁いったから、ホッとしてるとこさ」

 JR山手線・新大久保駅から徒歩2分。キラー・カーンさんと会ったのは、大久保通りから10メートルほど路地を入った「居酒屋カンちゃん」だ。

 オーナーのカーンさんを悩ませているのは、もちろん新型コロナウイルス感染症。当初、ほとんど影響はなかったが、2月29日の安倍晋三首相の会見を潮目に、みるみる客足が落ちた。追い打ちをかけたのは4月7日の緊急事態宣言。

「都の要請を厳守しているから、ラストオーダーは19時で20時に閉店。開店時間を1時間早めて16時からにしたんだけど、焼け石に水だな。本当に参ってるよ」

 本来は24時閉店なので営業時間はほぼ半減。家賃や光熱費の支払い、板長とパートさんへの給料……。白いマスク越しにも疲労の色が濃い。

 引退から33年。猫背気味なせいか、身長はピーク時の195センチから5センチほど低くなり、少し小柄になった。

「水商売を始めたのが1989年だから、この道に入って31年。長引く不況の中でも移転を繰り返しながら頑張ってきたけど、これほどの落ち込みって、もちろん初めて。売り上げ? 4分の1以下だよ。ホント、泣きたくなっちゃうよな」

■尾崎豊が愛した名物カレーで“聖地化”も…

 カーンさんといえば、最初に始めた「スナック カンちゃん」の常連客だった、シンガー・ソングライターの尾崎豊を外すわけにはいかない。

「場所は西武新宿線・中井駅のすぐそば。尾崎さんは共通の知人と一緒に来たのね。少し飲んだ後に『何か食べるものはないですか?』って。それでカレーを出したら『おいしい、おいしい』って。亡くなる1週間前も締めはカレー。今では名物料理だよ」

 間もなく尾崎の命日、4月25日がやってきた。例年なら“聖地”のひとつとして尾崎ファンが全国から訪ねてくるのだが……。

「今年は自粛やむなしだね。新型コロナが収まったら、また足を運んでくれればいいよ」

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    演技とイケオジぶりで再ブレーク草彅剛と「10億円マンション売却説」中居正広氏との“絆”

  2. 2

    泉ピン子が終活をやめたワケ「渡る世間は(水原)一平ばかり!」スペシャルインタビュー

  3. 3

    阪神からの戦力外通告「全内幕」…四方八方から《辞めた方が身のためや》と現役続行を反対された

  4. 4

    キムタク一家の妹Kōki,は映画主演の裏で…フルート奏者の姉Cocomiの話題作りと現在

  5. 5

    かんぽ生命×第一生命HD 人生設計に大切な保険を扱う大手2社を比較

  1. 6

    米田哲也が万引きで逮捕!殿堂入りレジェンド350勝投手の悲しい近況…《苦しい生活を送っていたのは確か》

  2. 7

    イスラエルにあなたの年金が流れていく…厚労省「ジェノサイド加担投資」引き揚げ“断固拒否”の不可解

  3. 8

    坂本花織の世界選手権66年ぶり4連覇に立ちはだかる…国際スケート連盟の「反トランプ感情」

  4. 9

    カーリング日本女子が到底真似できない中国の「トンデモ強化策」…世界選手権では明暗クッキリ

  5. 10

    公表された重点施策で露呈…JR東海の株価低迷と時代遅れの収益構造