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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。「芸能界」というビジネスは、いかにして始まったのか。貴重な証言を収録した「芸能界誕生」(新潮新書)。伝説の番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」を基に描く青春群像ノンフィクションノベル「史上最大の木曜日 クイズっ子たちの青春記」(双葉社)。2つの最新著が絶賛発売中!

「じゃない方」をバネに磨いた麒麟・川島の絶品コメント

公開日: 更新日:

「風邪ひいたときに、見る夢ですね」(麒麟・川島/「クイズ!THE違和感」8月3日)

 最新のAI技術で別の人物の映像に、千鳥・ノブの顔をハメ込む「ノブ違和感」というコーナーが話題だ。中でも演歌歌手・さくらまやの子供の頃の顔を、ノブに変えた映像は強烈なインパクトがあった。それを見て、麒麟・川島明(41)が例えた言葉を今週は取り上げたい。美しさすら感じる秀逸な表現だ。

「川島さんって戦力分析すると、五角形の全部が高い。ホントだったらもっと早い段階で大物MCとしてバンバン活躍してる方なんですけど、パネラーとかも全部で需要がある」(テレビ朝日「アメトーーク!」20年7月2日)と、バカリズムが評したように芸人仲間や番組スタッフからの評価が著しく高い。博多大吉が「一緒にひな壇にいると、たぶん一番コメント出すスピードが速いんですよ。だから、一緒にいづらいときある」(テレビ朝日「アメトーーク」20年7月30日)と恐れるほどだ。

 けれど、今では信じられないが、かつては「じゃない方芸人」扱いされていた。2007年、相方の田村裕が書いた自伝「ホームレス中学生」が大ベストセラーになった。番組で求められるのは田村のコメントばかり。川島にはピンマイクすらつかないときもあったという。

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