「じゃない方」をバネに磨いた麒麟・川島の絶品コメント
この状況をなんとかしなければならない。川島はピンネタライブを始め、これまで麒麟ではできなかったことを模索した。すると、10年の「R―1ぐらんぷり」(フジテレビ)で決勝進出。そこから「アメトーーク!」などに呼ばれ始めた。
その翌年に出演した同番組の「第11回持ち込み企画プレゼン大会」が大きな転機となった。考え抜いた渾身の2つの企画をプレゼン。それが視聴者投票で1、2位を独占したのだ。
こうした芸人にとって“大勝負”の番組に出演するときは「背負ってるバズーカーの数ハンパないですよね?」と言うオードリー若林に、川島は「めちゃくちゃ手榴弾入れてるし。ナイフ入れてるし。絶対殺したろと思ってるから」と同意する(テレビ東京「あちこちオードリー~春日の店あいてますよ?~」20年7月28日)。
その後、彼の全方位な能力の高さと上品さ故、「便利屋」のように重宝されるようになった。だが、彼が“手榴弾”を仕込んでいるのを「ゴッドタン」(テレビ東京)のスタッフは見逃さなかった。ゴリゴリのお笑い企画の主役として同番組に呼ばれたのを機に、他の番組でも彼の上品さの奥に潜んでいた過激なお笑い力を発揮できるようになった。
絶えず武器を磨き続けたからこそ、早さとうまさを兼ね備えた絶品のコメントを出し続けることができるのだ。