もはや空中分解…オスカーからなぜ女優が逃げ出すのか?
もちろん経費削減ばかりが問題ではない。本社を地方に移す会社の話ではないが、経営陣が「社員は資本」と思っていたらこうはならなかったのではないか。社員にも感情がある。特にオスカーの所属タレントは圧倒的に女性が多い。男性タレント中心の事務所ならいざ知らず、女性は「共感の生き物」といわれるように、周囲を冷静な目で見ている。そして自分の姿と重ね合わせたと思う。
実力のある女優らは、辞めたマネジャーと個人事務所をつくるという選択肢もある。うまく合流すれば、以前と同様にスムーズに仕事を入れることも可能。岡田は独立後の3カ月だけで数千万円の売り上げといわれた。米倉に至っては、独立後も「楽天モバイル」など複数の新CMで露出を増やし、主演女優のドラマや映画の出演をゆっくりと検討している。それぞれ独立したり、他の事務所に移籍したりと順調なわけだ。
多くのタレントが消えていったオスカーはピンチといってもいい。人気タレントがいるからテレビ局に影響力を行使できるのであって、人気女優との“抱き合わせ”で新人売り込みもできなくなる。全盛期に「来年はこの娘が売れっ子になります」と豪語しゴリ押ししていた姿は、もう見られないかもしれない。