霜降り明星・粗品 R-1優勝の素質があるも「漫才がしたい」
残念ながら粗品君はNSCに姿を見せることはありませんでしたが、見るたび、粗削りながらキレのいいネタを披露して会場を沸かせていました。細かい内容はほとんど記憶にありませんが、ネタ自体に注文をつけることはありませんでした。ただ私がアドバイスしたのは、話の順番やタイミング、劇場の一番後ろの席のお客さんでもよく見えるサイズのフリップを使うこと、色がぼやけてしまわないように枠の線をはっきり描くことぐらいでした。
「R―1で勝てるよ!」と言うと、粗品君は「漫才がしたいんです」と言う。相方もいるというので、後日連れてくるよう話し、やってきたのがせいや君でした。今ほど、完成度が高くはありませんでしたが、雰囲気のあるコンビでした。
「どうでしょうか?」という粗品君に「君が選んだ相方やから間違いないと思うよ、決め込まずにいろんなタイプのネタを作ってみて」と言って別れましたが、それからはみなさんご存じのようにあれよあれよという間に頭角を現してきました。
売れていくコンビに共通することですが、真摯にアドバイスを聞く耳を持っていること。そして、活用できることがあれば躊躇なく貪欲に取り入れる。それ以外のことは遠慮なく聞き流す。これはできそうで、なかなかできないことです。