ジャニーズ退所を加速させた「演出家・錦織一清」の名声
錦織の演出は、稽古場では冗談ばかり言っているような感じだが、役者一人一人と個別に会って、「こうやってみてはどうか」と“提案型”で話をしていくタイプだ。彼の演出を受けたある俳優は「錦織さんはご自分も出演者だったので、役者のプライドをわかっている」と語っていた。稽古場で怒鳴ったり、物を投げたりというスタイルとはまったく違っていて、自然に評判も良くなっていく。だからこそ、ジャニーズに頼る必要はなく、むしろ純粋な評価への足かせともなり、独立というのもうなずける。
植草はマイペースで役者としての活動を続けてきたので、自由な立場でやっていこうと考えたのだろう。
一方、ジャニーズ残留となったのが、東山だ。彼が残るのも当然と思われる。現在も連ドラに主演し、情報系番組のキャスターも務めているが、これまでジャニーズの若手を率いて座長公演を多くこなしてきた。舞台稽古には予定時間の1時間前にやって来て、腹筋500回をこなし、「役者のたしなみだ」とさらりと言ってのける。後輩たちもやらないわけにはいかず、全員が彼を見て成長する。“背中で”教えるタイプで、ヒガシを外すわけにはいかない。