「十二単衣を着た悪魔」“女子のカリスマ”三吉彩花の新境地
初めて彼女にインタビューしたのは、さくら学院を卒業した翌年。16歳だった三吉は、初々しく、「自分とかけ離れた役はオトナになってからも挑戦できると思うので、今しかできない等身大の役を演じたいです」(「月刊Audition」2013年6月号)と話していた。
その言葉通りに、その後、10代のころにはドラマ「GTO」(フジテレビ系)、初主演映画「旅立ちの島唄~十五の春~」などで等身大の役を演じ、24歳になった今、架空の物語に登場する悪女という、究極にかけ離れた役を見事に演じ切った。
16歳当時は、前出のインタビューの中で、チャームポイントは? という質問に「黒髪と片方だけできるエクボ」、自分を動物にたとえると「ネコ」、会ってみたい有名人は「ジョニー・デップさん、BIGBANGさん」と答えた。月日が経過して好みは変わったかと思うが、彼女の無邪気な人柄の原点を感じる。
催眠術をかけられ歌い出す「ダンス――」の主人公などは彼女の無邪気さを生かした配役だったが、「十二単衣――」では無邪気さを封印。ヒステリックで次々と毒舌を吐く、「悪魔」と呼ばれるほどに強い女を演じ、女優としての新境地を見せている。