片岡孝太郎コロナで“綱渡り”も…幕が上がる歌舞伎の底力
そのほかは、市川猿之助、市川中車(香川照之)、尾上松也、片岡愛之助とドラマ「半沢直樹」に出演していた4人の歌舞伎役者が出ているのが話題。しかし、同じ演目に出るのは、ドラマでは共演シーンのなかった松也と愛之助のみで、2人は第1部の舞踊劇「弥生の花浅草祭」に出ている。
■「半沢直樹」ネタでリップサービス
中車は第2部、落語を原作とした「心中月夜星野屋」に、中村七之助、市川猿弥と出る。中車が花道を出てくるだけで笑いが出て、猿弥はふすまの向こうで声がしただけで爆笑。「半沢直樹」のネタも披露し、掛け声禁止で静かな歌舞伎座の客席が、久しぶりに沸いた。
第3部は中村勘九郎と猿之助で「傾城反魂香」。2人は浅草歌舞伎に出ていた勘太郎・亀治郎時代は共演も多かったが、襲名後は少なく、久しぶりの顔合わせだが、ブランクを感じさせない。浅草歌舞伎組での復活を期待したい。
来月から歌舞伎座は3部制・各2演目となる。無事に幕が開けばいいのだが。
(作家・中川右介)