市井の人々の“つぶやき”から生まれる一人一人のドラマに涙
すると息子が「ママ、ぼく、やっぱり大きくなったらお医者さんになる。みんなを助けてあげたいから」と語り、夢はドクターヘリだと言う。
ここまででもすでにいい話なのだが、さらにつぶやきは続く。
「いつか息子も自分に障害がある事を分かる日が来る。私は息子の可能性を信じて、息子の障害特性を活かしてあげたい。楽しい、出来るかも! が自信に繋がる。だから支援学校を選んだ。教委よ、いつでもかかってこい」
ここで涙腺崩壊。このお母さんの信条、生活、行動が、ありありと目の前に立ち現れてきて短編小説のようだ。
母の居ても立ってもいられぬ気持ちからの人命救助、その姿を見た息子の決意。それがかなわぬかもしれぬと知りつつ、その言葉に感動し、勇気をもらう母。
このように、小さいが地球よりも重い力が、いつかこの国をよき未来に進めていくのだろう。
毎日発表されるひとくくりにされた○○人というさまざまな数字。その一つ一つにドラマがあり、すくい取らねばならない人生がある。