著者のコラム一覧
ラサール石井タレント

1955年、大阪市出身。本名・石井章雄(いしい・あきお)。鹿児島ラ・サール高校から早大に進学。在学中に劇団テアトル・エコー養成所で一期下だった渡辺正行、小宮孝泰と共にコント赤信号を結成し、数多くのバラエティー番組に出演。またアニメの声優や舞台・演劇活動にも力を入れ、俳優としての出演に留まらず、脚本・演出も数多く手がけている。石井光三オフィス所属。

市井の人々の“つぶやき”から生まれる一人一人のドラマに涙

公開日: 更新日:

 すると息子が「ママ、ぼく、やっぱり大きくなったらお医者さんになる。みんなを助けてあげたいから」と語り、夢はドクターヘリだと言う。

 ここまででもすでにいい話なのだが、さらにつぶやきは続く。

「いつか息子も自分に障害がある事を分かる日が来る。私は息子の可能性を信じて、息子の障害特性を活かしてあげたい。楽しい、出来るかも! が自信に繋がる。だから支援学校を選んだ。教委よ、いつでもかかってこい」

 ここで涙腺崩壊。このお母さんの信条、生活、行動が、ありありと目の前に立ち現れてきて短編小説のようだ。

 母の居ても立ってもいられぬ気持ちからの人命救助、その姿を見た息子の決意。それがかなわぬかもしれぬと知りつつ、その言葉に感動し、勇気をもらう母。

 このように、小さいが地球よりも重い力が、いつかこの国をよき未来に進めていくのだろう。

 毎日発表されるひとくくりにされた○○人というさまざまな数字。その一つ一つにドラマがあり、すくい取らねばならない人生がある。

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